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2015.11.11

ブログ

魚健ブログ  若旦那劇場 第6話

それは若旦那31歳の冬の夜、夕食をすませ家族でゆっくりと過ごしていると
実家から「親父がまた発作で倒れた」と連絡が入り、すぐに病院へ向かった。
なんとか一命は取り留めたが入院して検査が必要なようだ。そして控室で待っていた私達兄弟に
「息子さん達もちょっと検査をして貰えませんか?」と言う医師の言葉。
私はその時妙な胸騒ぎがしたのを今でもはっきりと覚えている。私達は医師に言われるがまま検査を受けた。
検査後医師から親父の病名について説明があった。病名は「ブルガタ症候群」。耳にした事のない病名であった。
それもそのはず当時医学界でも研究中の病気という事で私達が知るはずもなかった。
私の覚えている範囲ではその特徴として「特異な心電図」を持つという。そして原因は未だ不明だが激しい
心室細動がおこり失神、心停止するという。それもほとんどが男性だとか・・・
そして次の医師の一言に先ほどの妙な胸騒ぎが的中した事を確信する。
「次男さんはお父さんと同じブルガタ症候群の特異な心電図をお持ちです、今まで失神されたりした事はないですか」と。
私は頭の中が真っ白になった。そして次の瞬間あることが頭をよぎった。
それは20代の頃何度か経験した事なのだが・・・
「仕事をしていると何とも言えない匂いが鼻をつき耳鳴りがはじまる。そして自分の意識が体から離れていきそうになる。
それを必死で戻そうとする自分」このことが何か関係があるのではなかろうかと。
ともかく医師に告げられた言葉が31歳の男の心に突き刺さる。しかしその一方でそれが分かっていたかのような自分がいる妙な気持でもあった。
家に帰った私は妻にその事を話す。そしてその後医師から聞いた唯一の予防法としての「体内植込み型除細動器」の植え込みの選択を一晩中話し合うのである・・・

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